いずもだんだん祭りについて
日本の伝統芸能の一つと知られる歌舞伎の開祖は「出雲阿國(いずものおくに)」です。鍛冶屋の娘として生まれた阿國は出雲の大社の巫女となり、そのあと、全国で巡業できるほどの芝居一座に成長し、のちに「歌舞伎踊り」の祖として有名になりました。
そこで、日本の近代芸能の踊りの始まりが出雲阿國であると考え、出雲の地で新しい踊りのイベントを開催することになりました。
すでに活躍している秦野まつりのよさこい連(神奈川県)をはじめ県内外のよさこいチームと県内各大学・高校のダンス部・ダンス同好会・プロダンスチームに広く呼びかけ、「踊り」を通して出雲阿國の顕彰をしていきたいと考えています。昨年出雲からフィリピンで開催されたダンスパフォーマンス世界大会に出場したチームもあり、この機会をとらえて「踊り」をテーマにまちづくりに繋げていきたいと考えています。
また、地元高校生がポスター作製広報や企画などに関わり、県内外からの来雲者対応を行い、社会や地域と関わりをもち地元愛を育める体験の場としていきます。
つきましては、実行委員会を立ち上げ準備をすすめているところでございます。このイベントの対する趣旨をご理解いただき皆様方の格別のご支援ご協力を頂きたく宜しくお願い申し上げます。
いずもだんだん祭り実行委員長
福間 正純
10月29日(日)出雲大社・神門通りの通行規制
10月29日(日)の出雲大社・神門通りは、9:00から14:00まで歩行者天国となり、車両は侵入できません。
ご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解・ご協力の程よろしくお願いいたします。
詳しくは「通行規制マップ」をご覧ください。
第一回いずもだんだん祭り パンフレット
準備中です。
出雲大社と出雲阿國の絆
ようこそ出雲へ!
この秋の佳き日に、出雲阿國の生誕地である大社の地で、いずもだんだん祭りが開催されることをうれしく思います。
出雲阿國は大社で生まれ、10歳の頃には一座とともに京都に出、「ややこ踊り」のアイドルとして活躍していました。「ややこ踊り」とは、大人の恋歌に合わせて子どもがおどる踊りです。彼女の愛らしいしぐさが絶品だったのでしょう。阿國の芸は、またたくまに評判となり、公家や宮廷からも招かれるほどでした。彼女の芸能人生は前途洋々たるものにみえました。
しかし、数えの13歳になった阿國は悩みました。「ややこ踊り」は、子どもの愛らしいしぐさが人気の踊りです。これから大人になっていく自分の姿を重ね合わせた時、一抹の不安が胸を過りました。「ややこ踊り」を踊っていて、この先も人気が保てるのか。それとも今の名声を捨てて、大人向きの新しい芸を創り出すべきか。阿國は、芸能人生の選択を迫られていたのです。彼女はその答えを探すために、ふるさとの出雲でじっくりと考えることにしました。1600(慶長5)年8月のことです。
出雲に帰った阿國は、出雲大社で巫女を経験したり、念仏踊りや神楽舞など様々な芸能も見聞しました。そして、阿國の胸には大人が喜ぶ踊りや舞台構成はどうあればよいか、次第にその構想が浮かんできました。1603(慶長8)年、17歳になった阿國はイメージチェンジを図り、出雲大社の慶長遷宮の宣伝も兼ね、一座を率いて再び上京する決心をしました。
京都では、「出雲國神子女」と称し、人々がこれまで見たこともない舞台を披露しました。阿國の舞台は、念仏を唱えながらおどる「念仏踊り」、流行り歌に合わせておどる「小歌踊り」、それに演者と観客とが一緒になって舞台でおどる「総踊り」の三つの踊りから構成されていました。
また踊りと踊りの合間には、「かぶき(傾奇)者」の風俗を寸劇で見せるなど、当時の流行をふんだんに取り入れました。京の人々は、この阿國一座の舞台を拍手喝采で迎えました。とりわけ、世の常識とかけ離れた服装や言動で、京中の話題をさらっていた「かぶき者」を登場させたことは大当たりでした。このことから人々は、阿國一座の芸を総称して「かぶき踊り」とか「かぶき」と呼ぶようになりました。
出雲阿國は、「歌舞伎の始祖」と呼ばれています。しかし、踊りや演技がうまかっただけではありません。異質な踊りをコラボし、踊りの合間には観客を飽きさせないよう寸劇やものまね、またトークショ―までも取り入れました。阿國は、観客が喜ぶバラエティーショーを全身全霊で追求した名プロデュ―サーでもありました。
阿國がめざしたのは、観客を喜ばせる斬新なパフォーマンスです。
「いざや、かぶかん!」
本日は、それぞれが「現代の出雲阿國」となって大いにかぶき、観客が感動するようなダンス・パフォーマンス大会となることを期待しています。
出雲阿國顕彰会会長
山﨑 裕二
いずもだんだん祭り ポスター制作意図
(ポスターデザイン:大社高等学校美術部)
A案
歴史のある出雲大社で新たに行われる祭りということで、「伝統」が感じられるデザインを目指しました。大社の美しい街並みに合うように、全体の色味を落ち着いた色合いに統一しています。
たくさんの人に来てほしいので誰が見ても受け入れられるデザインを心掛けました。オレンジ色の弾けるような背景は、ダンスが持つパッションやエネルギー、力強さを表現しています。
また、中央に出雲大社のシンボルであるしめ縄をモチーフにした円を配置し、この祭りを通して皆さんの縁を結び、新しい「伝統」として末永く愛されるものになってほしいという願いを込めました。
B案
ダンスを踊る人々に注目し、「踊りへの情熱」をテーマに制作しました。
この、いずもだんだん祭りでは、県内外からたくさんの人々が、歌舞伎踊りの祖とされる出雲阿國 生誕の地 出雲に集まり、踊ります。舞台に立つ一瞬には踊りへの並々ならぬ思いや努力が詰まっていると思います。そんな、ダンサーたちの弾ける姿が最高にかっこいいと感じ、メインのイラストで表現しました。
背景のカラフルな色づかいは、人によって見せ方がガラリと変わるダンスの表現の多彩さを表しています。高校生、大人、ヒップホップによさこいと、年齢もジャンルも様々な人たちが集まり、それぞれの全力のパフォーマンスがぶつかり合ってバチバチとエネルギーが爆発している!そんなイメージが伝わると嬉しいです。
C案
テーマは「踊りで広がる楽しさ」です。
とにかく人に楽しんでもらうことを一番に考えて制作しました。
人だけでなくうさぎも交じって踊りだしたり、時代を飛び越えて出雲阿國が見物に来ていたり、現実ではありえない表現を加えることで、クスッと笑えるような楽しい場面をつくりました。
出雲阿國が活躍していた時代に合わせ、浮世絵風のタッチで人もうさぎも一緒になって、それぞれの踊りを楽しみながら神門通りを練り歩く様子を描いています。
浮世絵風ならではの豊かな表情や活き活きとした動きにこだわったので、ぜひ注目して一緒に楽しんでください!